2014年8月29日金曜日

東日本大震災スタディツアー

「東日本大震災スタディツアー」というイベントのお手伝いをしました。このイベントは726日~28日の3日間、神奈川県小田原市の中高生が被災地を学習旅行するというものです。26日は東北大学にもツアーの一環として小田原市の皆さんがいらっしゃいました。


下の写真はその時の様子です。まず全体的な説明を受ける皆さん。



その後いくつかのグループに分かれて震災の映像を3Dで見たり



MRで被災地の様子をバーチャル体験したりと様々な角度から震災について学んでいました。



参加者の方々は皆真剣な顔で説明を聞いて、自分なりに考えているようでした。
このイベントをきっかけに被災地の「今」を知り、少しでも災害について考えるきっかけになればと思います。

(文・写真:三浦真美)

2014年8月28日木曜日

SMMAクロスイベント「みんなでどろんこ!生きもの観察 in 地底の森」

713日,27日にSMMA参加館の地底の森ミュージアムさんと共同で仙台市富沢の田んぼに生息している生き物観察会を行いました.

夏の暑い時期に開催しましたが,たくさんの親子の方に参加していただきました.



今回は田んぼに棲息している生き物を自分の手で捕まえて,その特徴をじっくりと参加された方に観察してもらうことに重点を置いています.

まずは田んぼやその脇を流れる水路で,生き物を泥ごと掬い採ります.



掬い採った泥には一見すると生き物は見えませんが,実はたくさんの生き物が隠れています.泥はいったんバケツにためて,あとできれいな水で洗います.



泥を洗うと,ザリガニやカエル,魚などの大きな生き物だけではなく,ルーペを使わないと見えない貝形虫やユスリカの幼虫などの小さな生き物もたくさん観察することができました.



捕まえた魚をケースに入れたときは「メダカだ!」といっていた子供さんもイラストの書かれた魚の分類表を見ながら,背びれの位置や尾びれの切れ込みなどを注意深く観察していくと,最後には「タモロコ」という別の魚であることがわかりました.

他にも水の中をウニョウニョと動く2〜3mmの芋虫のような生き物もルーペを使って特徴を追っていくと,ユスリカの仲間であることがわかり,肉眼でみただけでは区別がつかなくても,数種類のユスリカがいることがわかりました.

生き物の観察では,ザリガニや魚などの大きな生き物に注目してしまいがちにはなりますが,よく観察してみると,普段は気づかない,様々な生き物が田んぼの中に住んでいることを知っていただけたと思います.
また,一見すると同じ種類に見える魚でも特徴をじっくりと観察することで様々な種類に分けられます.今回の観察会を通して,生き物の特徴をじっくりと調べる大切さを知っていただけたと思います.


(文:滝澤護 写真:鹿納晴尚)

2014年8月13日水曜日

子ども自然史ワークショップ 2014 「その2 しぜんし」

721日、南三陸町ポータルセンターで行われた「南三陸町子ども自然史ワークショップ」というイベントのお手伝いをしてきました。
今回のテーマは「しぜんし」!ということで、南三陸町の海の生き物や鳥たちを題材にした5つのプログラムとともに開催されました。


こちらは私がお手伝いしてきました「かげえすいぞくかん」のブースの様子です。


お魚さんたちの絵をくりぬき、色とりどりのセロハンを貼りつけます。



すると、こんな感じのものができあがります。
そしてこれに光を当てて白い布に投影します。


……すみません。写真撮り忘れました。
1枚目の写真の後ろの方にちょっと見えているのが投影したものです。
そこには、美しい海の風景が広がっておりました。

その他には海の生きものたちのマリンステンシルペイントやカラフル魚拓のコーナー,イヌワシ貼り絵と鳥のオリジナル塗り絵缶バッジのコーナーがありました。

来場者の皆様には、南三陸の自然を作って体験、楽しく遊びながら学んでもらえたのではないかと思います。



(文,写真:條将太)

サイエンスデイ&表彰式!

720日に東北大学川内キャンパス講義棟をメイン会場として開催された学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2014では、県内の教育機関、研究機関、民間企業等が連携して一般の方々に科学の本質を知ってもらう体験イベントを実施しました。


我々みちのく博物学団は青葉山キャンパスにある東北大学総合学術博物館にて、「ミニミュージアム inミュージアム」と題した、かつて東北大学(東北帝国大学)の地質学古生物学教室において研究に励んでいた矢部久克、早坂一郎等の教授達にゆかりのある化石標本や現生標本を、その教授の経歴や研究内容の解説を交えた特設展示を作り、一般公開しました。また、館内来場の方々に常設展示の解説も行いました。




やはり目を引くのは、アンモナイト化石研究で有名な矢部長克が研究・記載した「ニッポニテス」やS字カーブが特徴的な兵庫県産の異常巻きアンモナイト「プラビトセラス」、松本彦七郎が研究した黒光りする「センダイゾウ」の歯の化石などでしょうか?畑井小虎や早坂一郎が研究していた腕足動物化石は、初めて見る方々には二枚貝の化石に見えるようで、解説の中で二枚貝とはまったく異なる動物であることを伝えると、「へぇー、そうなんだー」と驚いた様子でした。

普段は博物館の標本庫に大切に保管してあり、あまり一般の目に触れる機会の少ない標本達ですが、その中でも特に珍品なのが、早坂一郎があの宮沢賢治から譲り受けたと言われるクルミの化石です。こんなモノが博物館に保管されていたとは、正直我々も驚きでした。


恐竜が好きで来場された子どもさんも多く、ステゴサウルスや昨年7月に加わったフクイラプトル・キタダニエンシス、当館所蔵のウタツサウルスが人気のようでした。ちなみに、ウタツサウルスの種小名「ハタイイ」は前述の畑井小虎にちなんで付けられたものです。

常設展示の解説をすると、やはり見ただけではどういう内容の展示かわからないという方が多く、「わかりやすい解説、ありがとうございました」とのお声かけを頂きました。

メイン会場の川内キャンパスから離れた総合学術博物館での出展にも関わらず、子どもさんから大人の方々までたくさんの来館があり、年齢を問わず多くの方々に東北大の地質研究の歴史や地学について知ってもらえたと思います。



表彰式では、宮城県仙台二華高等学校 地学部さんに
「みちのく博物楽団賞」と、副賞として缶バッジセットを贈呈いたしました。


(文:藤岡大,條将太 写真:みちのく博物楽団)